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「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」安眠に直結する3つの手法

 良い睡眠は日々の活力、仕事のパフォーマンスに直結します。本書では20の手法が紹介され、根拠も明確でいずれも納得できますが、自分にとって取り入れやすいもの、効果が出やすいものには個人差があるでしょう。寝付き、夜中に目覚める頻度、朝の目覚めの快適具合、の点で私が違いを感じることができた下記3つの手法を中心にご紹介します。

寝る前の食事や飲酒のコントロール

 寝る前にビールを飲みすぎるとトイレに行きたくなって目覚めてしまう、そういうわかりやすい例以外にも、太りやすいホルモンを促進したり、記憶の定着や脳の休息を邪魔したり、様々な影響があります。寝る前のお酒の量と、何時までに飲み終えるかを自分に合ったところでコントロールすると、よく眠れるようになります。

ぐっすりと眠りたいなら、寝る間際にものを食べるのはとても危険だ。コルチゾール(腹部脂肪の蓄積を促進)が増えることを思えば、太りすぎの人はとくに気をつける必要がある。ベッドに入るのは、食後から最低でも90分たってからにしよう。

眠っているあいだ、人は実際に賢くなっているということをご存じだろうか? 睡眠には貴重な役割がたくさんあるが、「記憶の整理」と呼ばれる働きの凄さにスポットがあてられることはあまりない。これは、時間の経過とともに忘れてしまう「短期記憶」や経験を、一度入ったら消えることのない長期記憶に変える働きを意味する。 記憶の整理は、睡眠中に複数回訪れるレム睡眠の影響を強く受ける。レム睡眠を十分にとれていればいいが、そこに邪魔が入ると、記憶と健康が被害を被ることになる。 アルコールを夜に飲むと寝つきが早くなることは、研究で実証されている。これはいい話だが、残念ながら、アルコールはレム睡眠を大きく阻害することも明らかになっている。レム睡眠の段階に入り込むことも、レム睡眠の周期が安定して訪れることもなくなるので、脳と身体の完全な回復は見込めない。だから、アルコールが残った状態で眠った翌朝は、目覚めても気分がすっきりしない。

 寝る前にお酒を飲めば、排尿衝動が生じる。当然、これも睡眠を阻害する。膀胱を開放したくなって起きあがれば、睡眠のリズムは乱れる。おしっこをすれば、どうしたって目が覚めてしまう。 アルコールが残った状態で眠り、途中で目が覚めると、身体の回復に必要な睡眠の段階になかなか戻れない。寝る間際にお酒を飲むなら、ベッドに入る前にトイレに行く時間をたっぷりとることを忘れないでほしい。

 お酒を飲むときは水をたくさん飲むとよい。アルコールがあっというまに血液中に吸収されるのは、アルコールが液体だからでもある。アルコールの影響を早めに消したいなら、水をたくさん飲んでアルコールの代謝で生じた老廃物の残りを洗い流せばいい。

 アルコールの脱水症状からできるだけ早く回復するにはどうすればいいか。ワインの専門家であるアンソニー・ジリオは、お酒を1杯飲むたびに230cc程度の水を飲むとよいと言っている。

 

寝る時の体温調節 寝室の温度とパジャマ

 寝る時の体温調節は、主に寝室の温度と布団が大きいと思うでしょうが、パジャマにも大きな影響を受けます。寒くて、暑すぎて寝れないのは論外としても、適温は思ったよりも低めです。

身体を休める時間がくると、眠りにつきやすくするために、自動的に身体の深部の温度が下がる。ただし、部屋の温度が高すぎると、ゆっくりと眠れる理想の状態に身体を整えることが少々難しくなる。 調査によると、睡眠に最適な室温は15・5度〜20度とかなり涼しい。これより高すぎたり低すぎたりすると、睡眠を阻害する可能性がある。

室温を20度前後に保つ これでちょうどいいと思う人もいる一方で、寒く感じる人もいるかもしれない。でも、ここは私(と科学)を信じてほしい。少し肌寒いくらいのほうが絶対によく眠れる。

不眠症の人は寝る直前の体温が通常より高くなる傾向にあることが明らかになった。ピッツバーグ大学メディカル・スクールの研究者たちはこの問題に立ち向かうべく、不眠症の人々の体温を下げる方法を探し、その方法が睡眠の質全体に影響するかどうかを確かめることにした。 彼らは、冷たい水が循環する「冷やす帽子」を被験者にかぶせて寝てもらう実験を行った。その結果はかなり意外なものだった。冷やす帽子をかぶって寝た不眠症の被験者は、不眠症でない被験者以上に寝つきが早くなったのだ。

不眠症グループは、ベッドにいる時間の89パーセント眠ることができた。この数字は睡眠トラブルのないグループとまったく同じだ。 この実験では不眠症グループの75パーセントの睡眠が改善し、体温を下げることで睡眠は改善されると実証された。不眠の治療や処置はさまざまあるが、これほど効果の高いものはほとんどない。

寝る2時間前にお風呂に入る 寝つきが悪い人は、ベッドに入る1時間半〜2時間前に温かいお風呂に浸かるとよい。これまでの話と矛盾すると思うかもしれない。確かに、お風呂に浸かれば体深部の体温は上昇するが、しだいに下がっていき、寝る頃にはお風呂に入る前より少し低い体温に落ち着く。

睡眠の質には体温調節が大きく関係する。不眠症のなかには、体温調節の制御がうまくできず、睡眠の深い段階に入れるまで体温を下げられないことが関係しているケースもあるという。実は、私たちの身体は熱を保つことは得意だが、身体を冷やすことはあまり得意ではない。だから、寝るときにゆったりしたデザインの服を少ない枚数着るほうが、体温調節がしやすくなる。

 自分にとって一番快適なパジャマで寝ましょう。ユニクロのウルトラストレッチルームウェアは、その点おすすめです。ベッドに入るときは、動きを一切制限しない、低刺激の素材でできた服を着るのがいちばんだそうなので。

 

寝る時の姿勢改善

 パソコン業務が多かったり、特定の姿勢を継続せざるを得ない仕事をしていると、首や肩に大きな負担がかかるもの。疲れをとるには、寝る時の姿勢が大きく影響します。

専門家にどういう姿勢で寝るのが理想かと尋ねると、仰向けで寝るのがよいという答えが大半だろう。その裏づけとなる理由がいくつかある。まず、背骨にとって最適な姿勢は仰向けだ。

 その反面、仰向けで寝ると、いびきや睡眠時無呼吸を招くリスクが増大する。重力で舌の根本が下がって気道を塞いでしまい、正常な呼吸がしづらくなるのだ。また、仰向けになると喉の力がどうしても弱まるので、眠っているあいだに喉が閉じやすくなる。骨格の割に脂肪が多すぎても、第13章で述べたように、喉の周りについた脂肪のせいで空気を正常に取り込めなくなる恐れがある。こういう問題を抱えている人は、余分な脂肪を落とし、仰向けではない姿勢で寝るほうがいい。

仰向けは、公正に見るともっとも正しい選択だ。とはいえ、いちばん快適な姿勢とは言い難い。背骨にとって安心な姿勢なのは間違いないが、次のような間違いを犯していると、睡眠にとって最高の姿勢とはならない。 枕が高いと背骨に悪い ベッドを枕でいっぱいにして寝ている人がいる。飾りとして枕をいくつも置くのはかまわないが、寝るときにその全部を使う必要はない。仰向けに頭を乗せた枕が高すぎると、背骨の自然なカーブが歪んでしまう。そうすると、首や背中、頭に痛みが生じたり、もっとひどいことになったりする。また、枕という高い山を越えないといけないので、脳への血流も一晩中悪いままだ。 眠っているときは、頭があまり高くならないのが自然な姿勢だ。眠っているときは唯一、脳へ向かって血液を必死に送り上げなくてもいい時間である。枕が高くないと眠れないという人は、いますぐその習慣を改めてほしい。高い枕は、背中にも脳にも悪い。

真面目な話、くたびれたマットレスで寝るくらいなら、床で寝るほうがはるかにマシだ。マットレスは本来、身体を支えるものだ。床のように支えが強すぎてもいけないし、ふわふわで支えが弱すぎてもいけない。だからといって、世界一のマットレスまでは必要ない。身体がマットレスに沈んだときに背骨の自然なカーブが歪まなければいい。

うつぶせで寝ると気道が広がった状態になるので、小さないびきや睡眠時無呼吸の症状の一部を防ぐことができるという。ただし、うつぶせで寝るときは、次のことを守る必要がある。 膝を横に出す まっすぐ伸ばした足のどちらか一方の膝を横に出して股関節を開き、背骨にかかる負担を軽くする。 頭を枕にのせない うつぶせで寝るときに、枕は必要ない。枕を使うと、一晩中首を過剰に伸ばすことになる。こんなバカげた話はない。一日中空を見あげながら歩くのと同じだ。そんなことをすれば、頭がおかしいと思われるばかりか、首を痛めることにもなる。

小さい枕をお腹の下に入れる 固めの小さい枕をお腹や股関節まわりの下に入れると、腰や首への負担が軽くなる。また、膝を横に出したほうの股関節まわりの快適な位置に枕を挟んだほうが、身体に優しい姿勢になる。

横向きで寝るときのコツ 横向きで寝るのが好きだという人は多い。それにはちゃんとした理由がある。人間の身体は、母親の子宮で眠っているときに集中して発達する。そのときの、身体を横向きにして丸める姿勢は「胎児のポーズ」と呼ばれる。だから寝るときに自然と、発達を促す胎児のポーズにならって横向きになるのだ。 仰向けより横向きになるほうが、いびきを防げるし、呼吸の改善にもつながる。

横向きで寝るときは、次のことに気をつけるとよい。 肩に体重をのせない 肩に直接身体を預けて寝ると肩や腕の筋肉が圧迫されるので、少しずらして寝る。 枕を低めにする 枕の高さを調節し、頭が高くなりすぎないようにする。枕を使うのは、枕で首を支えることで背骨を正常な姿勢に保つためである。頭が高くなりすぎてはいけない。 背中や腰が痛い人は枕を膝に挟む 腰痛もちの人は、柔らかい枕を膝のあいだに挟むといい。そのほうが背骨が安定するので、腰まわりの負担が軽減される。

 

 以上は私自身が大きく影響を感じた3点です。本書ではそれ以外の技術も多数紹介されていますので、自分が納得できる、合うと感じるものを参考にしてみてください。

 

 体の健康のために睡眠が大切なのはもちろんですが、悩める40代が元気を取り戻すには、睡眠を通じた脳のクリーンナップも重要です。

 目覚めているときの脳は、学習や成長に勤しみ、脳の持ち主が活躍できるよう協力している。ずっと動きっぱなしなので、たくさんの老廃物が絶えずたまっていくが、そのほとんどは、睡眠がもつ修復の力で除去される。 自宅のゴミを捨てるシステムがとどこおれば、家はあっというまに悲惨なことになる。それと同じで、十分な睡眠をとらず、グリンパティック系が働かなかったら、脳内が大変なことになる。もっと具体的なことを言うと、有害な老廃物を除去する能力が脳にないことが、アルツハイマー病を発症する根本的な原因の一つだと言われている。

  このように脳が健康に働くために睡眠が欠かせず、さらには悩み事も寝ている間に整理され忘却機能にも一部助けられ、幸福感も増すと。やけ酒はそこそこに、寝るしかありません。

セロトニンは一般に、幸福感や満足感をもたらす一助となる物質として知られる。気分や認識力に著しい影響を及ぼすので、抗鬱剤の多くがセロトニンのそうした機能を中心に構成されている。また、体内時計の調節にもセロトニンは欠かせない。

体内時計がもっとも敏感に反応するのは、早朝午前6時から午前8時30分の太陽光だ。それより遅い時間に日光を浴びても効果はあるが、まったく同じメリットは得られない。もちろん、時間帯は時季によって変わるが、6時〜8時30分のあいだに太陽光を浴びる習慣をつけるとよい。

 よく眠るために大事なホルモンは、寝る前のコンピュータ画面で阻害されます。このブログも、寝る2時間前にはホントは書くのをやめなくてはいけません。。

寝る前にコンピュータの画面に2時間向かうだけで、夜間に分泌されるメラトニンの量が著しく抑制されることを実証した。メラトニンの分泌が乱れれば、通常の睡眠サイクルも当然乱れる。

私たちは本当に、電子機器に依存している。そうなるように、人間の身体ができているのだ。 といっても、電子機器自体に依存するようできているわけではない。絶えず何かを探求するようにできているのだ。

ネットを使えば、誰もが必ずそういう経験をする。ネットは、探し求めることをしたい脳やドーパミンにとって理想の存在だ。そこには、「見つけた!」と実感できる情報が無限にある。 探求に夢中になるのはなぜか。それは、オピオイドが快楽の感情を与えてくれるからだ。ネットで何かを調べるという行為には、必ずオピオイドがついてくる。そして、文字どおり瞬時に満足感をもたらしてくれる。新しいフォロワーができる、記事に「いいね!」がつく、インスタグラムに誰かの新しい写真がアップされるというように、何か新しい発見があるたびに、脳内に少量のオピオイドが分泌される。そうすると、また新たな発見がしたくなり、ドーパミンがさらに分泌されるというわけだ。

ここで大切になるのが「意識」だ。フェイスブックを見ているときに脳内で何が起きるかを意識する。これが悪い習慣から抜けだす第一歩だ。脳内で何が起きるかを意識すると、探し求める行為をしている自分に気づくようになる。インターネットというブラックホールに吸い込まれそうになっている自分に気づいたら、すぐさまネットから離れよう。脳はパターンづくりが大好きだ。気づいたらネットから離れるという行動を繰り返せば、その行動はしだいに定着する。 立ちあがってもいい。水を取りに行ってもいい。愛する人をハグしに行ってもいい。子どもと一緒に遊んでもいい。ストレッチをしてもいい。誰かに電話をかけてもいいし、好きな音楽を流してもいい。電子機器に依存せずにすむ方法はいくらでもある。寝る前に少しでも電子機器を使いたくなれば、寝不足になりかねない。この悪循環を断ち切るための何かをすることが大切なのだ。

 オフィスのフリーコーヒーをついつい飲みすぎますが、飲む量と飲む時間帯は重要です。

カフェインを身体に入れる「門限」を決めよう。寝るときは、体内からカフェインがほぼなくなった状態でないといけない。お勧めの時間は午後2時。

  寝るときの温度調節は、思っているよりも低めがいいよう。私は寝る前のお風呂で読書をすることが多かったですが、これだと体深部の体温が上昇したまま寝ることになり、寝つきが良くなかったようです。最近はお風呂はゆっくりつかってリラックスしたら、長湯しすぎずに風呂上りに読書するようにしています。

 部屋の温度が高すぎると、ゆっくりと眠れる理想の状態に身体を整えることが少々難しくなる。 調査によると、睡眠に最適な室温は15・5度〜20度とかなり涼しい。これより高すぎたり低すぎたりすると、睡眠を阻害する可能性がある。これでちょうどいいと思う人もいる一方で、寒く感じる人もいるかもしれない。でも、ここは私(と科学)を信じてほしい。少し肌寒いくらいのほうが絶対によく眠れる。

 寝つきが悪い人は、ベッドに入る1時間半〜2時間前に温かいお風呂に浸かるとよい。これまでの話と矛盾すると思うかもしれない。確かに、お風呂に浸かれば体深部の体温は上昇するが、しだいに下がっていき、寝る頃にはお風呂に入る前より少し低い体温に落ち着く。

   睡眠効果を最大化するには、時間帯も大切となります。

 ホルモンの分泌や疲労の回復は、午後10時から午前2時のあいだに睡眠をとることによって最大限に高まると言われている。この時間帯が、いわば睡眠にとっての「投資タイム」だ。投資タイムを使って何ができるかではなく、その時間に眠ることで何が得られるかを考えてみてほしい。遅くまで起きてしていることの大半は、優先順位を考えてしっかりとした計画を立てれば日中にできることばかりだ。一日が24時間なのは誰にとっても同じ。それをどう使うかによって、すべてが変わる。ほとんどの人にとっては、一年を通じて午後9時〜午後11時が就寝時間となる。それを守れば、ホルモンバランスは確実に安定する。睡眠サイクルをリセットしたい、疲れを実感している状態で最適な就寝時間にベッドに入りたいという人は、朝起きたらすぐに日光を浴びる習慣をつけよう。そうすれば、コルチゾールが増えて体内の機能が完全に覚醒する。

  空気の入れ替えは禅や風水でも大切とされていますが、科学的にも睡眠および健康に重要なようです。

きれいな空気はとても大切だ。いつも呼吸している空気にはイオンが含まれている。実は、イオンには鮮度があり、鮮度が落ちると活性する力も落ちるということをご存じだろうか? 呼吸を通じて空気から細胞に取り込んでいるのは酸素だけではない。健康に欠かせないさまざまなイオン性物質も取り込んでいる。室内の空気がよどむと、空気中からマイナスイオンが失われていく。それを何とかしたいなら、空気を動かせばいい。窓を開ける、ファンを回すといったことをするだけで、寝室の空気は活性化する。イオン発生器は、寝室に限らず家全体にプラスの効果をもたらす。 冬は寒くて窓やファンで換気できない人は、加湿器だけでも使ってみてほしい。空気がきれいになって眠りやすくなるうえ、粘膜の乾燥を防いでくれるので、ウイルスなどに感染しにくくなる。

  老化を防ぐ。科学的に言えば染色体を長持ちさせるためには、寝不足は大敵。

人の寿命を知るうえで、もっとも正確な指標になると言われているのが「テロメア」だ。テロメアは、いわば靴紐のほつれを防ぐために末端をとめてある、プラスチックのパイプのようなものだ。靴紐ではなく染色体の末端に位置し、染色体の破損やほつれを防いでいる。 年齢を重ねるにつれてテロメアはすり減っていき、最終的には消えてなくなる。そうすると、細胞の分裂が止まる。わかりやすい言い方をすれば、それが老化だ。細胞の老化は毎日起こるが、長い年月をかけてゆっくりと起こる大きな問題が一つある。テロメアの長さを縮めるスピードは、ある行動によって左右されるのだ。カリフォルニア大学の研究チームが実施した調査により、テロメアを縮めるスピードを加速させる最大の要因は寝不足であることが明らかになった。

  安眠ホルモンを増やしたければウェイトトレーニングが必要。

ホルモンの働きを最大限に高めたいなら、ウエイトトレーニングが必要だ。重いウエイトを持ちあげると、アナボリックホルモンが分泌され、気分は上向きになり、見た目は若返り、よく眠れるようになる。

不眠症と診断されたクライアントのために、私は週に1回30分のウエイトトレーニングだけするようにと指示した。その結果、彼の身体から余分な脂肪は消え、健康のバロメーターとなる数値は改善した。そして、彼が何よりも必要としていた睡眠をとれるようになった。

バスケットボールのレブロン・ジェームズ、テニスのロジャー・フェデラー、ゴルフのミシェル・ウィーは、毎晩必ず10時間は寝る。テニスのヴィーナス・ウィリアムズ、アルペンスキーのリンゼイ・ボン、陸上のウサイン・ボルトは、睡眠が8時間を切る日はほとんどない。

しっかり運動する時間を午前、午後のどちらに設けるにしても、午前中に必ず何かしらの運動をしよう。わざわざジムに行かなくても、ホルモンの自然な分泌を促して夜にぐっすり眠れるようになる運動はできる。筋力トレーニングの日を2日設けたら(これは絶対に必要な運動で、すでに行っている人も多いと思う)、自分の好きな運動をする日を数日設けるとよい。最低でも週に2日はウエイトトレーニングをしよう。やる価値がいちばん高いと思えるトレーニングだけ集中して行えばよい。 ウエイトトレーニングといっても難しく考えることはない。寝不足や不眠に悩まされたことのある人は、「続けて2カ所」のトレーニングを30分だけ行うとよい。2種類の運動を組み合わせることで、競合しない部位2カ所を同時に鍛えるのだ。

    呼吸、瞑想も深い眠りによく効きます。

 呼吸は自分でコントロールできるので、それを通じて正常な状態に戻すことは可能だ。酸素が不可欠であることは言うまでもないが、人が深い呼吸を必要とするのは、体内の解毒や老廃物の排除のためでもある。とりわけ、二酸化炭素の排除は重要だ。

 思考は凧で、呼吸は凧糸だとよく言われる。呼吸が向かう先に思考がついていくのだ。短く浅い呼吸は、ストレスや不安につながる。一方、深くリズミカルな呼吸は、リラックスとコントロールにつながる。

 明日の朝からさっそく瞑想を始めよう(なんならいますぐ始めてもいい!)。習慣というと不健康なものばかり話題になるが、これは間違いなく健康の増進につながる。生活のさまざまな面がよい方向に変わる。5〜10分の瞑想から一日を始めれば、エネルギーや集中力はもちろん、ぐっすり眠れるようになる力もどんどん高まっていく。

  マッサージ、ツボ押しは特におすすめ。

マッサージの気持ちよさは誰もが知っている。しかし、睡眠の質を高める効果を過小評価している人は多い。マッサージは、交感神経系(闘争・逃走反応をつかさどる)の高ぶりを鎮め、副交感神経系(休息や消化をつかさどる)の働きを活発にする秘密兵器だと言える。リラックス効果が実証されているセロトニンやオキシトシンが増え、コルチゾールが減るのだから、マッサージが夢の世界へ滑り込みやすくしてくれても何の不思議もない

ツボ押しは、2000年以上前から存在している治療法の一つである。専門家の話によると、私たちの身体には、刺激を与えると神経を通じてさまざまな器官や腺に信号を送る部位があり、それを「ツボ」と呼ぶ。針や手などを使ってツボを押すことで、症状の緩和や機能の調整を促すのだという。決して過激なことではない。体内の細胞はすべて、脳という統治機関によって管理されている。細胞、組織、器官の一つひとつが、体中を駆け巡って情報をやりとりできる。 サン・ジェラルド病院の調査で実施されたのは、神門と呼ばれるツボのツボ押しだ。神門は、手首のつけ根の内側にある(図を参照)。神門の効果については、不眠症患者を対象にした二重盲検プラセボ比較実験も行われたことがある。その実験では、神門を押す期間が長くなるにつれ、尿に含まれるメラトニンの代謝物の量が正常なレベルに増えていった。

今週中に必ずマッサージの予約を入れよう。マッサージをしたのはつい最近だという人は、本当に素晴らしい。アメリカでは人口の約10パーセントが定期的にマッサージを受けていて、その数は急速に増えている。個人的に知っているマッサージ師がいないという人は、全国展開しているマッサージ店に予約を入れるといい。大きく展開している店は、新規の顧客に慣れている。そして、できれば月会員になってほしい。そうすれば、最低でも月に一度はマッサージを受けることになるし、タイプの違うマッサージや違う施術者のマッサージを試すこともできるので、自分にいちばん合うマッサージを見つけることができる。 また、自分で自分をマッサージするのに使える道具はたくさんある。たとえば、フォームローラー、テニスボール、ラクロスボール、ツボ押し用の機器など。もちろん、自分の手だって立派なマッサージツールだし、機嫌を損ねないようにお願いすれば、パートナーの手もマッサージツールになってくれる。数分でいいので、毎晩寝る前のマッサージを習慣にするとよい。マッサージで一日のストレスを解消しよう。

  睡眠は人生の隠し味だ。人間の身体は非常によくできていて、睡眠を利用してありとあらゆる機能を向上させる。コンセントから充電しなくても、身体をいたわって身体が必要とする睡眠をとれば、再び元気になる。 眠りの世界を迂回しては、成功へと通じる道には決してたどり着かない。最高の自分になるためには睡眠が必要だ。どんな薬を飲んでも、どんな策を 使っても、この事実は絶対に変わらない。

 何かを自分の得意にするためには、そのことについて勉強しないといけない。この本を選んでもらえたことを、私は光栄に思っている。この先何十年にもわたって健康と幸せをもたらしてくれるものについて勉強しようと思ってくれて、本当に嬉しい。

 

 

SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術

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