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「Baby Step」読んでテニス上達できる?ウィークエンドプレーヤーが試してみた

 高校からテニスを始めた主人公がプロを目指すマンガ。主人公の成長速度こそマンガならではですが、戦術やトレーニング方法などは非常にリアル。主人公はラリーやポイント全てをノートに記入、学びを蓄積して着実に成長していくユニークなキャラ。「メモの魔力」の筆者、SHOWROOM社長の前田裕二さんみたいです。

 ヒロインや登場人物も魅力的で、親子、性別を問わず楽しめるマンガですが、これを、ウィークエンドプレーヤーのテニス上達用参考書として活用できるか?試してみました。

 

<フォアハンドストロークをコントロールする>

キミがこの4ヶ月で体得したストロークの基本。その打点を変えるだけで、キミはもう全ての場所にコントロールして打つことができるはずなんだ。(主人公に、クラブのコーチからの一言)

 初心者でも経験者でも、多くの人にとって、フォアハンドストロークはもっとも練習してきたショットでしょうから、自分なりのスイングは身についているはず。しかしながら「打点」を正確に意識しているか。私はスイングばかりに意識が行っていたのですが、ある日コーチに「飛んでくるボールは毎回違うのだから、よく目で見て、ちょうどいい距離で打てるように調整して」、と言われてハタと気づきました。ある程度完成しているスイングをいじるより、スイングの軌道のどこでボールを打つか。いいボールを打つには、そこを調整する方が圧倒的に効率がいいはずです。適切なボールとの距離に入ったうえで、打点を変えることで、飛んでいく場所が変わる。つまり下記のようになるということ。

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 深く打つために力いっぱいスイングする。デュースサイドに打つため一生懸命左に振り回す。長年そんなことをしていたように思いますが、打点を変えれば、なんと軽々と狙ったところに飛んでいくことか。。。

 主人公は研究マニア、かつコントロールを武器にプロを目指すので、コートを9分割ではなく99分割したり、そのスペースに球を入れるために様々な努力を重ねますが、我々ウィークエンドプレーヤーは、まずは9分割したコートを狙って9つの打点を意識!これを身につけるだけで、相当ラクに攻撃できるようになるはずです。

<ストローク強化のための体力トレーニング>

ストローク力をアップするとその分コントロールはブレる。コントロールを安定させるためには何より下半身の強化が必要。

ストロークは主に腰の回転運動で打つんだよ。だから根本的なストローク力を上げたいなら、腰、つまり身体の中心にあるインナーマッスルとかコアマッスルって言われる筋肉を鍛えなきゃならない。(主人公を担当するコーチの教え)

  ストロークで打点に入った時にしっかりと踏み込む。リターンやボレーで重心を下げたまま足を細かく動かす。テニスでは下半身が強くなると、圧倒的にラクにボールをコントロールできるようになります。さらに、強いショットやサーブをラクに打とうと思ったら、コアマッスルや背中の筋肉、ひいては関節や腱を正しく鍛えることが大切。

 主人公は、肉体改造後のプレーで下のような変化を感じています。

身体が軽い!!

足のバネガ入れ替わったみたいに動ける!ボールが軽いからスイングの調整が楽!ラケットも軽いから打点の修正も簡単!身体を強化するとこんなに簡単に狙ったところに打てるんだ!

 土台となる「身体」が進化すれば、当然「技」も進歩しやすい。そうなれば「心」にも余裕ができる。そういうことなんですね。 

 「身体」が進化すれば、テニス以外の生活にも色んな好影響があるのも事実。継続可能かつ身体能力を高めるために必要なトレーニングはこちらの本をご参考に。

 スクワットで鍛えて重心を低く構えていられるようになると、特にリターンやポーチボレーなどの安定感や威力が、明らかに増しました。

 

<ラリーを組み立ててポイントをとる>

 押され気味のラリー、ミスが怖い場面でも、ただつなぐだけでなく、何らかの攻めの意識を持って、しっかり打つことが大切。

ほんの少しだけサイドスピンをかけてみた… 

岡田くんのショットは打点がピンポイントだから、少しの変化でも影響が大きいはず…でも、少しの変化だから影響したかどうかはわからないけど…いや、多分影響した…いや、したはず‼︎

…だとしたら相手のミスでもこっちが積極的にとったポイント。どんな小さなことでも…できることがあれば全部やる!(試合中の主人公)

 試合中、ミスを恐れてボールを置きにいって決められる経験は残念ながら非常によくあります。エースを狙えなくても、しっかり押し込む、しっかりスピンをかけるだけで、相手のミスを誘うことができます。

 さらに余裕がある時は、選択肢をもって組み立てる。下記はシングルスプレイヤーである主人公が実践した例です。

  1. ストレートに速いスピン
  2. オープンコートに直球強打
  3. 鋭角クロスでエース狙い

 

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そして甘い球が返ってくれば、また選択肢が増える。

  1.  ゆるい鋭角クロスで決める。
  2. クロスへ速い直球で決める。
  3. ドロップで決める。
  4. 戻る相手の逆をつく。

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 ウィークエンドプレーヤーの場合、組立てと言っても、まずは下記の3つから始めるのがいいかもしれません。

  1. まずはラリーを6回つなげる。もちろん自分から決めるのも大切ですが、結構これだけの回数をつなぐことが出来ずにミスをする相手も多いはず。これを試してみて、もっとつなぐ必要があるのか、もっと攻める必要があるのか、攻撃の強度の上げ方を考えてみるのもいいと思います。
  2. 相手の弱点を大事なポイントで突く。例えばストロークなら、大抵の人はバックの方が苦手。30-30や40-30の時に、サーブはフォアに入れ、帰ってきたリターンをバックに攻める。フォアのラリーから、回り込んでバックにアプローチするなど。
  3. コートの前後を有効に使う。ベースラインからだと狙えるコースは限られる。センターから鋭角には打てないし、サイドからだとコースは限定される。サービスライン、さらにはネット前からなら、スピードではなくコースでポイントが狙える。

 

<サーブを決める>

力は肩から鞭のようにしなる肘、手首、ラケットを加速させながらさらに上へ、そして一番加速する最高点でインパクト‼

身体は本当の鞭と違って関節しか曲がらないから、その肩に力が入って固くなっちゃダメ。

下半身にたまった力は、間接に力を入れずにできるだけ柔らかくしならせて鞭みたいにインパクトまで。

セカンドもそのままのイメージで、強めにスピン‼(主人公のサーブ改造時のシーン)

 ウィークエンドプレイヤーにとって、まずファーストの確率が上がれば、大分キープが楽になります。そのためには二つ。まずは力を抜いて、スムーズなスイングでボールを切る。サーブも打点、インパクトの位置はしっかり意識する。力まなくてもこうやって振り切れば、しっかり回転もかかって、いいサーブが入ります。セカンドは、びびって弱く打ったりしてしまいますが、力のコントロールで入れるのは意外と難しいので、同じスイングで、回転量を上げるのが効果的。もちろん、スライスとスピンの打ち分けなどはいいと思います。ウィークエンドプレイヤーの場合、セカンドがファーストと違う回転で、しかもバック側に来ると、全然速くないサーブでも結構てこずってくれたりします。

 

<主人公が目指す練習の心構えと究極のテニス>

大事なのは打った時の感覚と落下地点の認識!!

どこで打てばどこに行くのかをきちんと結びつけ、「確かな1球」として身体に覚えさせるんだ。そうすればキミは、1球1球上達できる。

全ての球に追いつき、それをコントロールできれば

理論的には負けない!!

球を打った時の感覚と、その球がどこに落ちたかという認識

このふたつが備わった確かな1球を打って初めて上達する

この1球の蓄積こそが上達なんだ

ただやみくもに打ってるだけじゃ上達しないんだよ

その点、君は少なくともこのノートを書いている時は1球たりともムダにせず上達に結びつけている

 そのための練習方法としては、下記の2つ。

  1. イメージ練習:前・中・後、右・中・左で分けた9分割の的をイメージし、打ち分けることから始める練習。
  2. 確認練習:打った球の感覚、軌道、落下点を必ず確認するように心がける練習。

<チェンジオブペース>

 アニキは緩急をうまく使えてますね。

 ああ…速い球は打てなくても、早く感じさせることは出来るからな。

 それにスピードとパワーで勝負してくる相手に「チェンジオブペース」は効果的な場合は多い。

 人は一般的に同じペースが続いた方がリズムが取りやすいから、試合もある一定のペースに落ち着きやすい。そこに変化をつけてリズムを奪うんだ。あらゆる休息や球種でいろんなコースにコントロールすることでね。

 丸尾のショットはパワーは並みだがコントロールがよく不得意がない。そういうタイプは「チェンジオブペース」を仕掛けるのに向いてると言っていい。もし丸尾の「チェンジオブペース」がもっとよくなれば、全国の上位でだって十分に戦えるはずだ。

 それは「全ての球に追いつき、それをコントロールできれば負けない」っていう、丸尾が掲げるテニス理論の神髄だからな。

 チェンジオブペースの基本は、あらゆるショットを打つことで、いかに相手にとっていいタイミングで打つ機会を与えず、こっちのペースで攻め続けられるか。臨機応変にショットを選択しながら最終的にはそのすべてが決め球の伏線になるように組み立てる。

お前、チェンジオブペースの時、もう少しコートを広く使ってみたらどうだ?お前はどこにでも打てるコントロールが強みなんだから、深くて強いストロークにこだわりすぎないで、もっと広範囲を狙った方がいいってことだよ。

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<試合中の心構え、相手との向かい方>

緊張してるのは勝ちたいって強く思ってる証拠。

試合にとっていいことだよ!

だから自分のことより相手のことをよく見よう!

全神経を集中して相手の動きと球の軌道を見る。どんな些細なことも見逃さないように。視点が完全に変わる。

 例えばチャンスボールを相手のバックに打って前に出る。相手のスキルによって打たれるコースは限られてくるので、そこで余裕を持って待つ。

 相手の強打がすごくても、オープンコートに深くコントロールする。深ければ、どんなパワフルなショットでもなかなか決定打にはなりにくい。

 前に出たときの相手のパターンはきっといくつかに絞られる。①スピンで沈めて次を待つ、②高速フラットで決めてくる、③ロブで頭の上を抜く。パターンが認識できれば対応しやすくなる。

打点への意識を半分、もう半分は相手と打つべき方向を意識して…

徹底的に守ったうえで…

攻める時は一撃で…!

 試合では必ず緊張しますし、負けるのは嫌、ミスするのは嫌で、ついつい無難につなぐだけになってしまうことがあります。しかし、置きに行くだけの返球はかえって相手の逆襲にあうだけでなく、そこから流れも作れないし、何より成長しません。攻めて失敗したとしても、修正が出来るし、気づきが得られます。

(攻め続けた結果負けたが)

 今の自分のストロークの限界がわかりました…だから…それは超えなきゃと…

 それでいい。だがそのまま攻め続けると、いつか必ずお前の弱気が顔を出す。守ったほうが楽に勝てると言い訳しながらな…その時は、とにかく自分が超える壁だけをみて何とか弱気を振り払え…苦戦や続くかも知れんが、一度その壁を登るんだ。今までの失点が加点になった時、世界は一変する。攻めた上でのミスこそが上達の種だと…挑戦の証だと誇りに思える時が必ず来る。

 最近の練習では動画の活用も有効。主人公は一流プロと自分を並べて動きを比較し、自分の方が準備が遅くて打った後の反応も鈍いこと、一流プロは打った後がやたらと速いこと、そうしなきゃならない環境で戦ってるを、まざまざと気づかされます。

 打つ前の準備、打った後の動きを早くする。ウィークエンドプレーヤーは、これを意識するだけで試合で大きく違いが出てくるかもしれません。また、ストロークの再確認などに、フェデラーなどのフォームを動画で紹介しているサイトは大いに参考になると思います。

<メンタルのトレーニング、気持ちの持ち方>

 テニスのポイント間は20秒しかない。何を思い出すかは考えてる時間はないよ!あらかじめ思い出す場面を決めておくんだ。

 テニスは精神面が大きく左右するスポーツ。どんな時でも20秒でいい時を鮮明に「思い出す」ことで、ベストの精神状態を作り出せるようになったら試合で有利だとは思わないかい?

  「ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある」という本でも語られることですが、大好きではないことを、様々に理由付けしてヤル気を振り絞るのは、責任ある態度ではないのです。まわりの人の願望を満たすことに一生懸命で、自分自身の夢や願望を忘れてしまう、本当の自分を置き去りにしてしまうことは、人生の途中で自分の魂を見捨ててしまったということですから、もっとも無責任な行為といえます。自分自身に無責任な人は、家族や友人知人、仕事に責任を持つことができません。その人からは、憂うつ、空しさなどが漂い、まわりの人間たちにも伝わってしまうから。

 真剣に目指したプロへの夢を諦めるべく、様々な理由をシミュレーションをし、「これも最善の選択の一つだろ?」と無理に笑顔を浮かべる主人公は、友人から再度問いかけられます。

お前は…それで楽しいの?

 主人公に相談されたコーチは、プロテニス選手として上り調子の時に怪我をした後、それとの付き合い方で失敗した経験から、自分にウソをつくと、自分が自分を信用できなくなってしまう怖さを教えてくれます。少し長いですが、名セリフです。

お前は約束を破ったりウソをつくのが嫌いなタイプだよな?それは何でだよ?

(それは…相手の信用をなくすからですよ)

そうだよな…だとしたら…それは自分に対しても当てはまるんだよ。俺も当時はそれに気付けなかった。今だからわかるんだ。このときの俺は全力で自分にウソをついてた。本当は怪我も怖かったし、リハビリも試合に出られないのも辛かった。そんな弱気なことを考えるのも嫌ですべてを投げ出したくなっていた…だから俺は…そんなこと考えてないことにしたんだ。

「全然平気!むしろこれで精神的に強くなれる」「怪我と付き合っていくのはプロとして当たり前のこと」

 心の底からそう思ってることにしたんだ。そうでもしないとやっていけなかったんだろうな…実際当時はそう思い込んでたんだと思う。

 でもそのうち、本心に嘘をつき続けた影響が出始めた…自分の本心を裏切り続けてると自分の本心がわからなくなってくるんだ。どこまで弱気なのが本心でどこまで強くいうのが本心じゃないのか?感じてることも考えてる事はどれが本当なのか疑わしくなってくるんだ…

 そんな状態が続くと自分では何も判断できなくなってきて、心はいつも不安定になるから他人に流されるようになる。そんな状態でテニスが上手くいくはずがない。

 この後、俺は引退して三浦コーチに拾ってもらうまで、何がしたいのかわからないまま日々を過ごした。それから勉強して資格とってコーチになったわけで…今となってはそれもいい経験だったのかもしれんがな。

 コーチが主人公にこのアドバイスをしたのは、目先の成功のためではなく、この先も主人公が自信をもって生きてほしいからでした。

 あきらめるななんて言わねえよ。プロの厳しさ俺の方が知ってる。ただどんなに辛くても自分の気持ちにウソつくなって言ってんだ。じゃなきゃこの2年半必死にやってきたことも、それを支え続けた熱い思いも、全部がウソに霞んじまう。それだけはしてほしくないんだ。お前がこの先、自信を持って生きていくためにな…

 テニスではないですが、打ち込んできた仕事、会社で限界を感じて転職を考えた時期がありました。ビジネスマンとして尊敬する父親からのアドバイスは、自分がやりつくしたと思って転職するなら全く問題ない。評価とか出世とかを気にして、やけになっているなら踏みとどまった方がいい、というものでした。自分で自分にウソをつくことはできる。ただしその結果は、自分で自分がわからなくなる。そうなったら、人生頑張れないですからね。自分のワクワクを、大切に生きましょう。

 進学するかプロになるか迷う主人公に、同じくプロを目指す彼女が語ります。

そっか…てことはまだ考える時間はあるんだね。じゃあ、今いくら考えても決まらないのは、まだそういう時期じゃないのかもよ?

なんかない?そーゆーこと。ずっと必死に悩んでた事が、ある時ストーンって決まること。

エーちゃんはここまでやることやって来たもん。焦らないで思いっきり悩んだら、きっと自然に…一番ぴったりな選択ができる気がするよ。

ベイビーステップ コミック 全47巻セット

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